Advanced/W-ZERO3[es]は、従来機の不満点を解消できているのか? Tweet
6月29日(金)から7月1日(日)まで、「タッチ&トライ予約イベント」が、ヨドバシAkibaと有楽町ビックカメラで実施されていて、初日の金曜日、Advanced/W-ZERO3[es]を予約したあとにブースで実機をちょっとだけいじってきたので簡単にまとめておきます。
時間がなかったうえに、後ろにすごい行列ができていたのでタイトルほどに立派な内容ではありませんが、個人的に気になっていたポイントを中心に見てきました。帰り道に、あれを試せばよかったと、思い出したポイントもたくさんありましたが、そこはご容赦くださいませ。
気になる電話としての使い勝手は?
たまたま体験コーナーを待っているときに後ろに並んでいた、赤ちゃん連れなのにW-ZERO3と[es]のダブルホルダーというGEEKなお母さんとも話していたのですが、W-ZERO3シリーズの最大の問題は、電話機としての使い勝手が最悪だということです。なにしろ標準の電話機能は、電話帳から電話を掛けるだけで、何回もメニュー操作が必要で、しかも最後に電話を掛けてよいかという確認のメッセージボックスまで出て来る始末。おまけに、電話帳の機能もお世辞にも使いやすいとは言えず、電話を掛けたいのに連絡先の編集の画面が出てしまっていたなんていうこともよくあること。
そんなわけで、個人的には電話機能がどうなっているかが最も気になっていたポイントなんですが、意外とメディアでもその点には触れられていなかったので、実機を触る機会を愉しみにしていました。結論から言えば、結構ガックシというか、ざっと使った限りでは既存のものと変わっていませんでした。以下の写真のように、確認用のメッセージボックスも健在です(苦笑)。ただし、ブースのスタッフに訊いたところ、複数の電話番号がある場合など特定の条件での画面推移で1ステップだけ短くなるケースがあるとのこと。
ウィルコム側もこの問題は認識はしてはいるようなんですが、この機能はWindows Mobile側で提供されているものを使っているとのことで、いかんともしがたいというのが現実のようです。実際、Microsoft本社にも掛け合ったそうなんですが対応はできないという返事だったそうな。"電話を再発明"したクパチーノの某社とは対照的というか、やっぱりMSはMSでしかなかったということなんでしょうか。その方曰く、W-ZERO3メールのように独自アプリで実装するしかないだろうとのことでしたが、W-ZERO3メールのセンスの悪さを考えると、それもまた微妙な気がします。
せっかく見た目だけは携帯電話っぽくなって、そのせいか、いままでだったらW-ZERO3シリーズなんて見向きもしなさそうな、女子なども並んでいたというのに、これじゃあ詐欺じゃないかと言われてもしかたがない気がします。女子とはいっても、例のGEEKなお母さんは、[es]のイベントのときもいらしたんだそうで、そういう方は別格ですれどね。赤ちゃんの月齢を考えると、ちょうどお出かけできるくらいに大きくなった時期に発売でよかったですね、と心から申し上げてしまいました(しつこくネタにしてスミマセン)。
閑話休題。MSKKも日本でのWindows Mobileのマーケットを広げようとしているなかで、せっかく、いままでとは違うユーザー層が手にとってくれるチャンスだというのに、これはどうなんでしょうかね?
大きさとか、キーボードとか
電話関係のソフトウェアが微妙なままなのは非常に残念ではあるものの、サイズだけは大きく普通の携帯電話に近付いた本機ですが、持って使ってみた感じでは、従来機にあった、手に持っていて落しそうな不安にかられる微妙な大きさは解消されて、テンキー部分も含めて押しやすくなっていました。しつこいですが、これで電話としての使い勝手が増せば言うことない感じです。
もう一つ気になっていた「ソフトキー」がなくなっている点も、すでにレビューなどで指摘されていますが、スタートキーとOKキーを、ソフトキーとして使い、長押しでスタートキーなどとして使える設定が可能となっています。これも、実際使ってみた感じでは違和感なく使えるように思いました。筆者の場合、ソフトキーを押すつもりでOKキーを押してしまうことも多かったので、かえって好都合に感じました。
筆者の場合、SSHでUNIXマシンに接続して使うケースも多く、WebサイトのパスワードやSSHのパスフレーズは数字も混在しているので、フルキーボードから数字が直接入力できない点だけで、Advanced/W-ZERO3[es]にするのはやめようかと思っていたりしたのですが(とか言いながら、まっさきに予約してますが)、実機をちょっといじってみた限りでは、慣れの問題で解消できそうな感じでした。
キートップが大きければ打ちやすいわけではないのが、特に小型のキーボードでは必ずしも真ではないことは、W-ZERO3[es]やかつてのHP200LXなどのキーボードが証明しています。実際、キートップの隙間は、隣のキーを誤って一緒に押してしまわないという点で非常に有効なのです。仮想的にはキートップが大きいのと同じような効果があります。その点でいうと、Advanced/W-ZERO3[es]のキーボードは、キートップとキートップが隙間なくならんでいるわけですが、断面をみると円弧上に中央が隆起している形状をしているせいか、その点も気にならず、むしろ結構打ちやすい印象を受けました。
Operaとか画面とかもろもろ
あと気になっていたのが、W-ZERO3[es]以上に液晶ディスプレイの画素の密度が高くなっている本機で、Real VGA化ができるのか、というか、Real VGA化しなくても実用になるかという点でした。個人的にW-ZERO3[es]をReal VGA化している最大の理由が、それをしないとOperaでの表示がガタガタになってしまうからです。特に、微妙なCSSとHTMLでのレイアウトが混在しているようなサイト(mixiとか)では最悪で、個人的にはReal VGA化はマストな感じでした。というわけで、Advanced/W-ZERO3[es]のOperaで、いくつかのサイトにアクセスしてみました。まぁ、結果はReal VGA化しなくても悪くないというか、この液晶サイズではReal VGA化はちょっと微妙かもな、という印象でした。
というわけで、以下、W-ZERO3[es]標準、W-ZERO3[es] Real VGA化、Advanced/W-ZERO3[es]で、mixiのページを表示した状態を比較のために挙げておきます。実際、表示も文字とそれ以外のバランスも正常になっていますし、それ以上にWVGAになって、横位置での画面幅が800ピクセルになっていることでの情報量の増加は魅力的です。実際にはReal VGA化したもののほうが、縦に表示される範囲は大きいのですが、その分、タイトルバー部分の操作のしやすさや、Real VGA化する場合に機能に制限が出てしまうことを(もっとも、Windows Mobile 6でどうなるかはわからないわけですが)考えると、標準状態のほうがむしろ十分実用的な気がします。
W-ZERO3[es]標準のOpera
画像に対して、文字が大きすぎます。実際には文字はQVGA相当で大きさが計算され、画像だけがVGAで表示されているといった感じでしょうか。
W-ZERO3[es]Real VGA化でのOpera
PC上のOperaなどとほぼ同等の表示になり、基本的に問題はありません。
Advanced/W-ZERO3[es]標準
表示上の問題は一部ありますが、基本的には問題ない範囲と言ってよいでしょう。『事務局からのお知らせ』の改行位置が微妙ですが、これはWebサイト側の問題で、PC上のブラウザでもフォントの設定などでは同様の表示になります。W-ZERO3[es]のRealVGA状態にくらべると、ブラウザの有効表示エリアの高さは減ってはいるものの、幅が増えている分使い勝手はよい感じです。
追記 後で気付いたのですが、Advanced/W-ZERO3[es]での画面は、Operaの設定を「画面幅で表示」にしたものであるのではないかと思われます。ということで、「PCモード」にしたときにどうなっているかは未確認です。
カメラの反応が速くなってる気がする
地味なところですが、いままで高解像度で撮影すると、シャッターボタンを押してから、数秒後の絵が撮れるなんてこともざらだったカメラですが、Advanced/W-ZERO3[es]では、レスポンスが向上しているような気がします。あまりヘビーに使っている状況下ではありませんし、micro SDカードを保存先にしたときにどうなるかなどは未検証ですが、よさげな感じではあります。
その他もろもろ
個人的にはBluetoothが内蔵されていなかったのはガッカリ(Wi-FiよりBluetoothがほしかった)ですが、その点で気になっているアイ・ビー・エス・ジャパンから発表されていたminiUSB Bluetoothアダプタ「IMUB-01」も展示されていました。見た感じもそんなに大ぶりではないので、いい感じですが、Bluetoothって内蔵されててナンボだろうと思うとちょっと哀しさは拭いきれません。
GPSとかワンセグとか、正直外付けでまでは欲しくない感じですが、いちおう展示されていたので写真だけ。
個人的にはTVはほとんど観ないし、GPSならGARMINのとかを別に持ってたほうがうれしい気がします。バッテリのことを考えてもW-ZERO3でやりたいというのは、かなり特殊ケースな気がします。都市部での簡単な位置検索なら基地局情報を元にしたものでも十分ですし。ということで、標準で搭載されているNAVITIMEのクライアントですが、ちゃんとW-SIMを使った基地局による簡易側位に対応していました。って、個人的に最も使うGoogle Mapsが対応してたりするのかを確かめてくるのを忘れてしまいました orz。