ネットワーク管理者的にうれしいW-ZERO3[es]で簡単に紹介した、W-ZERO3[es]をシリアル端末に仕立てるネタですが、先日、仕事で都内某所のデータセンタのスイッチやサーバの設定変更のために行ってきましたので、再びそのネタで。

基本的には、先日のエントリのとおりなんですが、実際やってみて意外と使えるな、というのが結論です。
この日は、どうしても深夜に設定変更を行なう必要があって、自転車でデータセンタに向かったのですが、とにかく荷物が軽くてコンパクトなのがうれしい限りです。
正直キーボードの打鍵速度は普通のPCのキーボードに比べてどうしても落ちますので、急ぎのオペレーションにはやや向いてないというのはあります。
ちなみに、シリアル端末エミュレータとして使わせていただいている、ぞろよしさん作による「24term」は、いくつかバージョンが存在しますが、ぞろよしさん自身による「W-ZERO3 05-12-16版 バイナリセット」を使っています。私のところでは他のバージョンではいろいろ不具合が出ましたのでこちらに落ち着いています。
ちなみに、ATOKが有効な状態ですと、文字が何も表示されません。ATOKのON/OFFは再起動が必要なので、なんとも不便ではありますが、24termはBSDライセンスでソースが提供されていますから、自分でなんとかする。というのが正しいハッカー道という気もいたしますが……。
それから、以前のエントリでは、USB-シリアル変換アダプタとしてラトックシステムのREX-USB60Fを紹介したんですが、実は今は別のアダプタを使っています。その辺のことも、以下にくわしく書いてみたいと思いますので、もしご興味があれば、もうしばらくお付き合いくださいませ。
W-ZERO3[es]で使うUSB-シリアル変換アダプタは何がいい?
ちゃんと保証があったほうがいい、とか、N社とかH社、F社といった大手IT系企業にお勤めの方々が、お仕事で客先に納品しなければならないとかいうケース(笑)ならどうしたほうがいいでしょう? 特にトラブルがあったときに、ベンダのせいにして逃げる(実は本質的な解決ではないわけですが)というパスが欲しいという方は何を買えばよいでしょうか?
実は適切な製品はありません(笑)。
ラトックシステムのUSB-シリアル変換アダプタREX-USB60FがPocket PC 2003やWindows Mobile 2003 SE対応と、やや微妙なセンですがよろしいかもしれません。

私はW-ZERO3[es]を買った足でコレを買い求め、無事に使えることも確認しました。なにしろ、メーカー純正のドライバが提供されていますから、Windows Mobile 5.0搭載なW-ZERO3[es]でも問題なく動作します。
この製品の最大の弱点は、他の競合製品に比べて高いこと(ヨドバシで4,680円)、あとせっかく荷物を減らそうとしているのに、ケーブルが長くて(これは、目的によっては長所になりますが)、常時持ち歩くのには向かないという点でしょう。ケーブルの途中にアダプタ本体があるというフォルムは、目的によっては非常に使いやすいのでしょうが、コンパクトに持ち歩くという目的からみるとあまり適した形状ではありません。

ということで、なるべく安く、動くならそれでいい。という賢しこい消費者のみなさま、ハッカー諸氏にお勧めしたいのが、秋月電子のUSB-シリアル変換ケーブルです。お値段1,200円なり。
ちなみに、秋月の店頭ではシリアルの延長ケーブル付きで1,400円のものしか置いていなかったりしますが、これを持っていき店員さんに「延長なしのが欲しい」と申し伝えれば、その場で延長ケーブルを抜いて(笑)、1,200円で売ってくれることでしょう。
このケーブル、賢明なみなさまならすでにお気づきのことかもしれませんが、エレコムのUC-SGTと中身はほとんど同じです。エレコムのはヨドバシで3,480円ほどです。
ちなみに、私はノートPCで使うために、エレコムのはずいぶん前に買ったのですが、まさかW-ZERO3[es]で使えるとは思わず(調査不足)、前述のラトックシステムのアダプタを買ってしまったわけです……。
さて、秋月のものもエレコムのものも、中の基板を見る限りはまったく同じ製品ですが、さすがにベンダIDなどは異なっています。
- 秋月の製品
- USB-Serial Controller(0x2303), Prolific Technology Inc.(0x067b), rev 3.00, 500 mA
- エレコムUC-SGT
- UC-SGT(0x5003), Elecom(0x056e), rev 0.01, 100mA
どう見てもハードウェアは同じなんですが、申告する必要な消費電力については異なっているのはおかしいですね。
232usbってすばらしい

で、問題はこれらの製品はいずれもWindows Mobile 5.0を含むWindows CEファミリには対応してないわけですが、とてもすばらしいことに、24termの作者でもあるぞろよしさんによる「232usb」というUSB-シリアル変換アダプタのためのWindows CE用ドライバがあって、これを使えばPL-2303というチップを使用している秋月のもエレコムのもW-ZERO3[es]で使えるようになります。
ちなみに上記の画面ですが、はじめて使うUSB-シリアル変換アダプタをW-ZERO3[es]に接続してドライバに認識させるときに、ドライバの設定を変更するときに起動するだけでOKです。一回このツールで認識させて、適切な設定(秋月のもエレコムものも上記画面の設定でOKです)をし、一度再起動してあげれば、以降はただ繋ぐだけで利用できます。
ただし、W-ZERO3[es]のUSB周りは若干不安定なのか、まれに再起動しないとUSBデバイスを認識しなかったりするようで、それだけは注意が必要ですが。

同じアダプタでも複数同時使用ができるのかはわかりませんが、秋月のとエレコムのそれぞれ1本ずつであれば、ベンダIDも異なりますので、同時使用ができたりもします。
ちなみに、写真のエレコムのアダプタのほうは、ケーブルが長いので短く加工しています。アダプタは樹脂で完全にモールドされているので、実は加工は面倒だったりしますが、その辺は後日紹介してみたいと思います。

24termでの接続先の選択ですが、USB-シリアルアダプタを繋いだ状態で起動すると、使用可能なCOMポートの一覧からドロップダウンリストで選択できるようになっています。ちなみに「COM1: Serial」となっているのはW-SIMです。この例ではCOM2が秋月電子のアダプタ、COM3がエレコムのアダプタとなっています。
もちろん、ラトックシステムのREX-USB60Fを繋いだ状態なら、それが選択肢として表れます。REX-USB60Fは純正のWindows Mobile 2003 SE用のドライバを使用しましたが、チップとしてFTDIのFT232BLが載っているので、もしかしたら232usbでも使えるかもしれません。

複数のUSB-シリアルアダプタがあれば、24termを複数起動して、別の機器/サーバに同時に接続することもできます。その場合でも、メニューで切替えできるようになっています。
W-ZERO3[es]のキーボードの細かい不満とうれしいところ
W-ZERO3[es]のフルキーボードは一部の記号類(「[」とか「]」など)はキーボードから直接入力できないので、VGA Large Keyboardあたりを併用するとかいうことにしたいのですが、私のW-ZERO3[es]では、こいつが動いたり動かなかったり(SIPの切替えに失敗)するので、なんとも微妙なところではあります。まぁ、今回の作業では、これらの記号の入力は不要なので問題ありませんでしたけど。
あと、UNIX環境ではよく使う「<」や「>」については、マニュアルによれば直接入力の手段はないものの、少なくとも初期ファームと8月に公開された現時点で最新のファームウェアでは、「Shift」を押して離してから、「,」や「.」を押すとそれぞれ「<」と「>」が入力できるという裏ワザちっくな対応方法が存在しているのもありがたいところです。これについては、今後もバグとして扱われて修正されないことを切に望むところです。
W-ZERO3[es]のフルキーボードがうれしいのは、TABキーが普通に存在しているので、bashや一部のネットワーク機器のコンソールの機能であるファイル名やコマンドの補完機能も普通に使える点だったりします。
一般的なユーザーにとっては、ドコモやソフトバンクモバイルが出す台湾HTC社のWindows Mobile 5.0搭載スマートフォン「hTc Z」や「SoftBank X01HT」のほうが、キートップも大きめでいいかもしれませんが、個人的にはW-ZERO3のものでないと受け付けられません。