W-ZERO3[es]用Bluetooth内蔵USB HUB Tweet
W-ZERO3[es]用USB HUBその後の、さらにその後。
そもそも、機器によっては複数ポート使えないよね。とか、そもそも4ポート埋まることなんてないじゃないか、というのと、Bluetoothってそれなりに使えるよね。ということで、件のUSBハブにBluetoothのドングルを内蔵してみることにしました。
仕上りとしては、こんな感じ。
材料
Bluetoothドングルの基板ですが、上海問屋の999円BluetoothドングルDN-BT03Dの基板がコンパクトで、かつ安いゆえに失敗時の被害も小さいということでこれを採用。
素材となるUSB HUB(ハブ)は、今回もシグマA.P.Oの小型USB 1.1 HUB SHBF4を使用。今回はケーブルの色と合わせるためと、2ポート分を別の用途に転用するためフタをしたりする加工の際の目立ちにくさを狙って黒にしました。
さらに、W-ZERO3[es]のUSBホストとして接続するための、Mini-Aプラグ付きケーブルの入手のために、アーベルのAUM20MA04と、USBハブの1ポートをMini-Aコネクタ(レセプタクル)とするためのコネクタ入手のために、同じくアーベルのAUM20MA01を入手。安価なUSBホストケーブルは品薄だったりしますが、こちらはヨドバシの新宿西口マルチメディア館B1Fで普通に置いてあったので、これらを採用しました。少々高いですが、パーツ単体ではなかなか入手できない状況などを考えれば、まぁいたしかたなしかな......。
つくりかた
ケーブルは必要な長さに切断したり、コネクタのみを取り出します。
mini-Aプラグ付きのケーブルは10cmちょっとあればいい感じですが、実際にHUB内部で結線するための余地を取りつつ、使う状況を想定して必要な長さを調整します。
Mini-Aメスのコネクタ(レセプタクル)については、必要なのはコネクタだけなので、カッターナイフで外装に切り込みを入れて"殻割り"します。
HUBは接着されているケースを2つに割ります。ケースの上部と下部は単に接着材で固定されているだけで、特に爪の類はないので、構造を観察しつつ少しずつ接着面を剥がしていくように指で力を加えていくと、おそらく外れるでしょう。
基板はこんな感じです。当初は写真の左側の2ポートのコネクタを外してBluetoothドングルの基板を入れようと考えていたのですが、HUBのLEDの部分を覆ってしまうことと、Bluetoothの基板上のステータス表示のLEDも、その位置ではケースの窓からは見えないため、真中の2ポートを外して基板を入れることにしました。
Bluetoothのアンテナ部分とUSBのコネクタのシールド部分が近いため、通信の利得に影響があるのではないかと懸念されましたが、とりあえず、HUBの直上にドングルを置いて動作テストしてみた感じでは実用上の影響はなさそうでした。
ということで、真中の2ポート分のコネクタを外す必要があるのですが、コネクタは表面実装なうえに、コンデンサやLEDが接近してあるので、やや外すのが大変そうに見えましたが、半田吸取り線で半田を取りつつ、片側から浮かして無事外れました。実はLEDに近い側のシールド部分は根本で切断(金属疲労で切断)して、外してはいません(笑)。
そこのうちの1ポートに、ドングルから外してやはりコネクタも外したBluetoothの基板を接続します。ケーブルはUSBの仕様に合わせて4色のケーブルで接続しました。ケーブルは先に必要な部分だけ取ったケーブルの余りから取ってきたものです。でもって、赤色のVccの部分は後々スイッチを付けるために長めにしています。もっとも、全体的に長めですが、これはBluetooth側の基板は上蓋に、USB HUBの基板は下蓋に接着するために余裕を持たせました。
あ、それから先日作ったUSB HUBと同様、ホスト側のケーブルもMini-Aタイプに入れ替えておきます。この状態で動作テストをしたところ、無事動作することが確認できたので、残る作業を続けることにします。
あとは、BluetoothをON/OFFするためのスイッチと、残りの1ポートをMini-Aレセプタクルに入れ替えるために地道に配線します。BluetoothのON/OFFのスイッチですが、理想的には4本あるUSBの線をすべて絶縁できるようにするべきかもしれませんが、今回はVcc(電源)ラインのみON/OFFとしてみました。動作上は問題なく、USB的に接続/非接続が切り替わってくれました。
1つのポートをMini-Aに交換したのには理由があって、単純に通常のType-Aのコネクタのままでは、Bluetoothの基板に干渉してしまうことと、将来Mini-Aのケーブルを持った機器を用意したときに、HUB経由でも直接W-ZERO3[es]にも繋げるようにとのことからです。
コネクタやスイッチ類、基板は、すべてホットボンドでケースに固定しました。あとは、スイッチとコネクタを設置した部分の穴を塞ぐために、塩ビの板(0.7mm厚)を適切なサイズに切断して穴を開け接着しました。塩ビの板はツヤ有りの黒でしたので、同僚が持ってきてくれたトップコート半光沢で塗装し、HUBの色味との違和感を抑えてみました。
コメント
初めまして。
こんなのが製品として出て欲しいと思っています。
ただし、この改造って違法行為ですよねぇ...。DN-BT03D自体日本で使えないし...。
投稿者: 通りすがりの者 | 2006年9月21日 12:20
> 通りすがりの者さん
コメントありがとうございます。確かにご指摘のとおりDN-BT03D自体TELECの認証どころか、FCCやCEのも取られてないようなので、少なくとも国内での『使用』は違法ですね。仮に元のドングルがTELEC認証済みでも、完成品状態での認証ですから、外装を外せば無効になってしまいますからね……。
投稿者: Makoto Kaga | 2006年9月21日 13:41
すごいですねぇ・・・・
W-ZERO3[es]でバスパワーのHUBを使うときは、USB2.0対応だと電力不足になることが多いみたいですね。
精進せねば・・・・
投稿者: Reichi | 2006年9月21日 23:40
すごくほしいけど、作るのが大変そう(>o<)
作ってほしいです(笑)
投稿者: haru | 2006年9月22日 02:16
気になったので、再びやって参りました。
主旨をご理解いただき、有り難うございます。
TELECの認証手続き自体にも問題がありますし、ましてや、違法製品を売って儲けているヤカラは許せませんが、Makotoさんの持っている優秀な技術が、正規の製品として結実するといいなぁと思います。
投稿者: 再び通りすがりの者 | 2006年9月22日 22:39