Advanced/W-ZERO3[es]用に小型Bluetoothドングルを作る夢 このエントリーを含むはてなブックマーク Clip to Evernote

スリムでありながら、そこそこ打てるキーボード、従来のW-ZERO3[es](WS007SH)よりもコンパクトでありながら、Wi-Fiを追加するなど機能が追加されたアドエスことAdvanced/W-ZERO3[es](WS011SH)ですが、Bluetoothが内蔵されていないことに不満を持っているヘビーユーザーは多いようです。

アイ・ビー・エス・ジャパンの「IMUB-01」というBluetoothアダプタがW-ZERO3[es]やアドエス用に向けに売られていますが、常時接続して持ち歩くには、大きく飛び出たフォルムは向いていません。

そこで、9月に発売されたプリンストンテクノロジーのBluetooth USBアダプタ「PTM-UBT3S」を改造して、アドエス用の小型Bluetoothドングルを作ってみる夢をみました。仕上がりはこんな感じだったようです。

bt_micro_2.jpg bt_micro_7.jpg

ちなみに、今回素材として使用したBluetoothドングルPTM-UBT3Sは当然技適マークを取得した製品ですが、このような改造をすると技適マークの効力がなくなり、電波法違反となる可能性がありますのでご注意ください。あくまで、"夢"の記録ですので。

材料など

今回使用した材料は、プリンストンテクノロジーのBluetooth USBアダプタ「PTM-UBT3S」と、ボズシ工房さんが作っておられる「USBホストアタッチメント(プレーンタイプ)」です。

bt_mini_03.jpg bt_micro_1.jpg

ボズシ工房さんのUSBホストアタッチメントは、従来のW-ZERO3[es]のアーリーアダプターなヘビーユーザーならご存じかもしれませんが、筆者は持っていませんでした。今回、この改造の夢を見るにあたって、これを使うしかないと思い立ち、お分けいただきました。

なぜ、普通のUSBのMini-Aプラグじゃないかというと、この手のプラグの場合、表面に見えている部分はコンパクトでも、プラグのカバーの部分の中にも部品があり、結構奥行きがあるからです。まじめにこうしたコネクタを採用すると、「IMUB-01」のような形状になることは避けられません。その点、ボズシ工房さんのアダプタの場合は、プリント基板をそのままコネクタにするという大胆なデザインのため、奥行きを抑えることが可能だからです。

そのほか、ケースには、切断/接着などがしやすいアクリル板を使うことにしました。普通に売られているのは2mm厚のものが一般的ですが、今回はコンパクトにするのが目的なので、0.5mm厚のものを用意しました。これを買いに行った東急ハンズ新宿店では、0.5mm厚のものは400×550mmという大きめのものしかなかったので、これの白を買いました。なんと3,045円です。2mm厚とかなら150×300mmなどのものが400~500円で買えることを考えると泣けてきますが、しかたがありません。そのほか、アクリル工作野郎ならおなじみの、アクリル用接着材「アクリサンデー 接着材」も買い求めます。

あとで、アクリサンデーのWebページを見て気づいたのは、同様の接着剤が使える素材として、ポリカーボネイトや塩ビ板(塩ビは別の接着剤です)もあり、それらだと新宿ハンズでも、数百円で小さいサイズがあることを発見しましたが、気づかなかったことにします。

で、作ります。

まずは、プリンストンのBluetoothドングルをばらします。初期ロットは固めのUSBポートに挿して、抜くと取れてしまうことがありましたが、9月下旬に出荷されたロットはその点は改良されているようなので、取りにくいかもしれませんが、USBコネクタの金属シールド部分をラジオペンジなどで引っ張れば取れます。ツメでひっかかっている部分があるので、その辺を浮かせるようにするのがコツです。で、バラすと以下のような基板が現われます。

bt_dongle_inside_1.jpg bt_dongle_inside_2.jpg

次に、ボズシ工房さんのアダプタを分解します。まずは、USBコネクタを外します。半田ゴテと半田吸い取り器、半田吸い取り線などを使って外します。USBコネクタを再利用するつもりがなければ、USBコネクタの金属シールドの基板を挟んでいる部分をラジオペンチなどで切断してから作業するとやりやすいでしょう。こんな感じになります。

usb_adaptor_1.jpg usb_adaptor_2.jpg

このステップは必ずしも必要ありませんが、なるべくBluetoothドングルの出っぱりを抑えるために、Mini Aプラグ相当の基板を短くする加工をします。まずは、半田吸い取り線などで丁寧に2枚の基板を接続している半田をきれいに取り去ります。完全に取れると、基板は解体可能です。

あとは、プラグ相当の基板が、きちんとメインの基板の両面とハンダ付けできるような状態になるように現物合わせをしながら、ヤスリで削ります。短くしすぎると、きちんと半田付けできなくなるので注意が必要です。すると、下の右のような写真となります。

なお、今回作ったものは、旧W-ZERO3[es]だと、USBコネクタの蓋を外さないとつかないと思います。旧W-ZERO3[es]でも使いたい場合は、USBアダプタ部分は加工しないで使うのがよいかもしれません。なお、筆者はアドエスのUSBコネクタの蓋はじゃまなのではずしています(アドエスのは、ひっぱれば簡単に着脱できます)。

usb_adaptor_3.jpg usb_adaptor_4.jpg


最後にアダプタとBluetoothドングルの基板を接合します。今回は、2枚の基板を最初にホットボンドで接着します。2枚の基板の間隔は、USBアダプタ側の基板でBluetooth側の基板がショートしない程度に間隔を空けるようにします。また、USBアダプタの基板は全面をGNDのパターンで囲まれているため、Bluetooth基板のアンテナをそれに重ならないようにずらしてあります。あとは、USBの配線が正しくなるように電線を半田付けして終了です。

small_bluetooth_2.jpg

ケースを作る

ケースの制作中は見事に写真を取り忘れました。基本的には、アクリル板をカッターで切り(薄いので、通常のカッターでも十分切れます)。ヤスリかけしたうえで、アクリサンデー接着材で箱に仕上げます。小さいので接着面の位置合わせは簡単ではありませんが、多少はみ出てもいいようなサイズで作り、はみ出た分は組み立て後にヤスリ掛けしてきれいにすればよいかもしれません。

今回は基板を完全に囲うようなケースではなく、アドエス側は基板をむき出しにするようにしてあります。カバー状の箱を作り、ホットボンドで基板と箱を接着しています。ホットボンドの融解した状態の熱でアクリルは軟化しますので、作業を手早くする必要があります。

bt_micro_4.jpg

なお、基板のほうは不意にショートしないように、図書館などで本を保護するために表紙に貼るのに使われている、ポリプロピレンフィルムを貼ってあります(写真は貼る前のものです)。今回は手もとにあった、フィルムルックス製の「Libre pp」を使いました。

bt_micro_5.jpg bt_micro_3.jpg bt_micro_8.jpg

というわけで、仕上がりは上記のような感じです。Bluetoothキーボードや、Bluetooth経由でのPCとのファイル転送なども可能です。一部再生音が途切れたり、プレーヤーを選ぶ(Windows Media Playerは大丈夫ですが、TCPMP、GSPlayerなどでは再生途中でハングアップしてしまいます)などの問題もありますが、A2DPプロファイル対応のヘッドフォンなども利用できます。

bt_micro_6.jpg

アドエスのBluetoothのスタックは、いろいろ必要な機能がない点が指摘されていますが、これは、Windows Mobile自体で提供されていても、OEM向けにカスタマイズするオプションのプロファイルをウィルコム/シャープが選択していないことに起因するようです。この辺はなんとかしてほしいところですが、追っていろいろ書いてみたいと思います。個人的には、Bluetooth PANとInternet Connection Sharing(ICS)を是非とも載せてほしかったところです。

しつこいですが、このエントリの内容はあくまで"夢"ですので、ご了承ください。

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://blog.project92.com/mt4/mt-tb.cgi/33

コメント

Mini Aプラグ相当の基板とBluetoothドングルの基板を水平方向接合し、上から見るとL字になるようにすればもっとすっきりするような気がするんですが無理なんですかね?

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)

Profile