MacBook ProとナナオFlexScan SX2262WをDisplayPort接続する このエントリーを含むはてなブックマーク Clip to Evernote

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最近、筆者は自宅も仕事先でも常にMacBook Pro 13inchで仕事をしているのですが、一緒に仕事をさせていただいているサービシンクでは、オフィス用に外付け液晶ディスプレイ(モニタ)を用意していただいています。

筆者的には、解像度は高く、多くの情報を同時に表示したいと思う一方で、あまり広大な画面は視線の移動が大きくなるので好みではありません。また、iMacのように画面の位置が高いのも苦手で、座った位置で見下ろすような場所に画面があるのが好みです。

その点、ナナオ(EIZO)の「FlexScan SX2262W」は価格も5万円代で、WUXGA(1920×1200ピクセル)の解像度でありながら22インチワイドと高精細な画面を持ち、机面ギリギリまで下ろせるFlexStandが付いていて、年末からこれを使っていますが、画質のよさも相まって非常に満足度は非常に高いといえます。

今回は、このディスプレイと、MacBook ProにDisplayPortで接続するケーブルを紹介します。

MacBook Pro本体のMini DisplayPortについておさらい

最近のMacBook Proの外部ディスプレイ接続ポートは「Mini DisplayPort」という規格が採用されています。Apple純正のケーブルや製品でこれに接続できるのは現行では以下の製品しかないようです。

Apple Mini DisplayPort − DVI アダプタ
Mac本体側のMini DisplayPortに接続し、DVI(シングルリンク)の出力を得るアダプタ。市販のDVIケーブルでディスプレイ/プロジェクタに接続します。大抵の場合1920×1200ピクセル程度までが限界で、それを超える解像度の場合は、デュアルリンク対応のDVIでないと伝送できません。このアダプタのDVI端子は、アナログ/デジタル兼用のDVI-I端子ではなく、デジタル出力のDVI-Dですので、DVI-IーVGA変換コネクタでVGAケーブルを繋ぐことはできません。
Apple Mini DisplayPort − Dual-Link DVI アダプタ
30inch Apple Cinema HD Display用のアダプタ。デュアルリンク対応のDVI-Dの出力を得るアダプタですが、Apple Storeのレビューなどを見る限りでは、このアダプタは組み合わせるディスプレイによってはうまく動かないことがあるようです。
Apple Mini DisplayPort − VGA アダプタ
Mac本体側のMini DisplayPortに接続し、いわゆるVGAコネクタ(D-SUB 15ピンのアナログRGB)に変換するアダプタ。市販のVGAケーブルで、アナログRGB接続に対応したディスプレイ/プロジェクタに接続します。DVIに比べて汎用的だけれど画質は劣ります。
Apple LED Cinema Display (27インチ)
純正のディスプレイ、本体からMini DisplayPort対応のケーブルなどが出ていて、直接MacBook Proなどに接続できます。

そのため純正のケーブルを使う場合、液晶ディスプレイなら、Mini DisplayPort-DVIアダプタを使うのが一般的でしょう。もちろん、DVIに対応していないディスプレイやプロジェクタなどとの接続なら、Mini DisplayPort-VGAアダプタを使うことが多いでしょう。

ディスプレイ側にDVI端子がある場合は、アナログ接続のVGAケーブルよりも、デジタルで伝送されるDVI端子のほうが画質的には有利です。ただし、通常のDVIでは、1920×1200ピクセル程度までしか対応しておらず、それを超える解像度の場合は、デュアルリンク対応のDVIでの接続が必要になります。

いずれの場合も、本体近くにコネクタの変換部分があって、配線がごちゃごちゃした感じになってしまうのは、ちょっとうれしくありませんね。アダプタはApple製なので美しいのですが、それに接続する大抵の市販のケーブルは無骨なものばかりですから。

この項目「Apple Mini DisplayPort − Dual-Link DVI アダプタ」などの記述を追加するなど、DVIの解像度について追記しました(2011年3月9日 01:53修正)。

DisplayPort搭載ディスプレイなら、Mini DisplayPort-DisplayPort変換ケーブルを使うのがオススメ

今回購入したナナオのFlexScan SX2262Wは、2つのDVI端子のほかに、DisplayPort端子を装備しています。一方MacBook Pro側のMini DisplayPortは、DisplayPortを小型化するためにAppleが開発・提案した標準規格で相互に変換が可能です。

今回のディスプレイは、1920×1200ピクセルですので、DVI接続の場合もシングルリンクで対応できますが(というか、SX2262W自身がシングルリンクのDVI端子となっています)、それを超える解像度を持ったディスプレイの場合、デュアルリンクのDVI端子が必要となりますが、純正のアダプタも互換性のうえで心配があります。

そんな場合でも、DisplayPortであれば、高い解像度にも対応できるため、Mini DisplayPortからDisplayPortに変換するケーブルがあれば、ということになりますが、現時点ではApple純正のケーブルは売られていません。

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今回は、ATS DIRECTさんが発売する「ATS DIRECT Mini DisplayPort / DisplayPort変換ケーブル 1.8m」を購入してみました。このケーブルは、MacBook Proなどの本体側のMini DisplayPort端子とディスプレイに搭載されたDisplayPort端子を接続できるもので、長さも1.8mあるので大抵の場合は十分でしょう。

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このケーブルはコネクタ部分もApple製品似たテイストで(とはいえ、さすがに色や形状などは純正の高い品質には及びませんが)、なにより途中にコネクタの変換部分がなくディスプレイに直結できるので非常にオススメです。

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写真の環境ではネットワーク(LAN)接続はEthernetを使っていて、キーボードもUSBの外付けキーボードを使っているので、ややごちゃごちゃしていますが、無線LANとBluetoothキーボード/マウスとの組合せであれば、配線をもっとすっきりさせられるでしょう。

ちなみに、MacBook Proは特に設定しなくとも、外付けのキーボード/マウス/ディスプレイがあれば、閉じた状態でも動かすことができます。もちろん、MacBook Proを開いた状態にすれば、本体のディスプレイと外付けディスプレイのデュアルディスプレイ環境にすることももちろん可能です。

今回購入したケーブルですが、購入当初、800×600ピクセルを超える解像度では画面が表示されないという初期不良がありましたが、年末にも関わらずスムーズに交換対応をしてくださいました。ケーブルの生産は中国でされているそうですが、品質管理などでもご苦労があるようで、現在は国内で検品できる体制を整えて出荷されているそうです。

このケーブルを販売するATS DIRECTさんは、おそらくおひとり〜数人でやっておられる会社のようですが、ユーザーニーズにあった商品を、中国の工場との連携で提供されていて、まさにいまの時代だからできるビジネスでもあるなぁと思いました。また、昨今の中国の工場での賃上げの傾向の影響もあるようで、まさに激動のなかでビジネスをされており、個人的には応援したいメーカーさんのひとつです。

このエントリを書いた翌日に、いきなりケーブルが断線して1280×1024ピクセルを超える解像度が表示できなくなってしましました。おそらく、高い解像度のための信号を伝送するレーンの線が断線してしまったものと思われます。ATS DIRECTさんによると、同様の不良が発生しやすいことがわかっており、現在、この製品の出荷を止め、工場とともに対策を講じているとのことです。同様の製品は、筆者の知るかぎりでは「Kanex Mini DisplayPort to DisplayPort Cable M/M」くらいしかありません。特に1920×1200を超えるような解像度のディスプレイをMacBook Proなどに接続したいという場面には、ほかに選択肢がないといってもいい状況ですので、早々の復活に期待したいと思います(2011年3月9日 01:53追記)。

これ以外にも、ATS DIRECTさんは、Mini DisplayPortからHDMI、DVIに接続するケーブルなども出されており、DisplayPortに対応していないディスプレイの場合、DVIに変換する「Mini DisplayPort/DVI変換ケーブル 1.8m」を購入してみてもいいかもしれません。

Thunderbolt搭載MacBook Proではどうか?

なお、2011年2月に発売開始された新しいMacBook Pro(Early 2011)では、Mini DisplayPortポートの代わりに、「Thunderbolt」というDisplayPortの信号に加えて、PCI Expressのデータ転送も可能なインターフェイスになっていますが、従来どおりMini DisplayPort/DisplayPortの機器の接続に使えるようになっています。

実際に、筆者の環境でMacBook Pro 13inch(Early 2011)とFlexScan SX2262Wの組合せで試してみましたが、問題ありませんでした。ただし、SX2262Wほか一部のDisplayPort搭載ディスプレイでは、一部のMacとのDisplayPort接続でマウスポインタが止まる症状が確認されており、ディスプレイのファームウェアのアップデートが提供されています。

筆者の手元のSX2262Wも問題がある製品でしたが、古いMacBook Pro(Mid 2009)では問題がなかったものの、新しいMacBook Pro(Early 2011)との接続では、マウスポインタが止まる(ただしディスプレイに接続した状態え起動した場合は大丈夫だった)ほか、スリープすると復帰時に画面が出力されないなどの問題が発生しました。ファームウェアのアップデートを行ったところ、この問題は解消され快適に利用できています。


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