MacBook Pro 13-inch(Mid 2009) にHDDを2台搭載。1TBの容量を Tweet
仕事の関係で、いくつかのVMwareのゲストOSイメージを置く必要があり、内蔵の500GBのHDDだけでは容量が足りなくなりました。
そこで、普段使わない光学ドライブを外し、その代わりにHDDを搭載できないか考えていたところ、秋葉館で「OptiBay Hard DriveKit for MacBook Pro 15/17 UNIBODY and MacBook UNIBODY」を発見したものの、1万6800円というのは、ちょっと高すぎます。
そこで、もっと安くなんとかできないかやってみることにしました。
MacBook Pro 13-inchの光学ドライブはちょっと特殊
MacBook Pro 13-inchの光学ドライブ「SuperDrive」は、9.5mm厚のSlimline SATA接続の仕様となっているだけではなく、MacBook Proのボディー上面にネジ止めするためのネジ穴が、ドライブ前面に付いている特殊なものになっています。
つまり光学ドライブの代わりに、2.5 inch HDDを搭載するには、少なくとも、Slimline SATA端子を、2.5 inch HDDが使用する通常のSATA端子に変換するアダプタが必要です。
光学ドライブの本体への取付は、3箇所のM2ネジで行われています。そのため、HDDの固定にも同様の仕組みがあるのが望ましいでしょう。
ThinkPadのウルトラベイ用のアダプタを流用
Slimline SATAと通常のSATA端子の変換には、汎用のケーブルを使う手もありますが、組み込みのためのスペースが限られていますので、ThinkPadのウルトラベイ用に売られている、SATA 2.5 inch HDD組み込み用のアダプタを流用することにしました。
レノボ純正の「Lenovo ThinkPad シリアルATAハードディスク・ベイ・アダプター [40Y8725]」を買ってもよいのですが、どうせバラして、中の基板しか使わないので、秋葉原ではPS/PLAZA WAKAMATSUや東映無線などで売られているサードパーティ製の「2nd HDD Adapter S-ATAコネクター」を使うことにしました。今回は東映無線が年始で営業時間が短く、夜に行ったためすでに閉まっていたので、PS/PLAZA WAKAMATSUにて2980円で購入しました。なお、古いアダプタは本体側がSlimline SATAではないので、購入の際には注意が必要です。
このアダプターの厚さは実測で10.1mmほどあるのと、奥行方向もフロントベゼル分長いので、MacBook Pro 13-inchには内蔵できません。これをバラして中のSlimline SATAとSATAの変換基板のみ使うことにします。
アクリル板でHDD固定用のアダプタを作る
以下の材料を用意して、HDD固定用のアダプタを作りました。
- アクリル板 2mm厚
- 150mm×300mm・t=2mmのものを東急ハンズで購入。397円
- シリコンゴム 1mm厚
- 防振用とMacBook Pro本体への取付部分の高さ調整用。435円
- ステンレストラス小ネジ M3×5mm
- 2.5 inch HDDの固定用。8本入り140円(必要なのは4本のみ)
- なべ小ねじ M2×6mm
- 本体への固定用。10本入り100円(必要なのは2本)
その他、工具としては、アクリルに対応できるドリルピット(1.6mm、2.5mm、3.5mm)、M2に対応するハンドタップ(なくても対応は可能)、バッテリードライバードリル(ハンドドリルでも可)、アクリサンデー接着剤、3mm径が開けられる革加工用のハトメ抜き(10号)、アクリルの帯電防止用に使えるポリケアS、ヤスリ、アクリルカッターなどが必要です。ハトメ抜きはシリコンゴムに穴を開けるために使いました。
なお、HDDは今回もWestern Digitalの『WD5000BEVT』を使用しました。
作ったアダプタに2.5 inch HDDを取り付けた状態です。HDDが接する部分には、1mm厚さのシリコンゴムを入れてあります。
光学ドライブの前面側に相当する固定箇所のネジは、元々の光学ドライブの固定に使われていたネジでは長さが不足するので、M2×6mmのネジを使用しています。高さの調整のために、1mm厚さのシリコンゴム2枚を重ねています。位置については現物合わせで、接着しました。
光学ドライブの後ろ側の固定箇所は、元の光学ドライブにつけられていた金具を外して、取り付けられるようにしました。これも位置は現物合わせ。金具はM2のネジで止められていますので、アクリル板側に2mmのネジ穴をタップで立てて止める予定でしたが、久しぶりに作業したのもあって、2箇所のうち1つのネジ山をなめてしまったので、M2×4mmのネジを使いナットで固定しました。
なお、光学ドライブ部分にアクセスするための手段は、以下のサイトの記述を参考にしました。このサイトで、既製品のアダプタがそこそこ安く売っているのを発見したのは、ThinkPadのウルトラベイ用のアダプタを買ってしまった後なので、自作の道を選ぶ結果となりました。
気になる重量は
光学ドライブの代わりにHDDを入れるとなると気になるのは重量ですが、実測では、ほとんど変わらない結果となりました。誤差もあるのでなんともいえませんが、元の状態より3gほど軽量化する結果となりました。
消費電力などの増加が気になるところですが、これについてはしばらく使ってみてレポートしてみたいと思います。
まずは2つのドライブとして
Mac OS Xの機能によるソフトウェアRAID 0での構成も気になります。RAID 0にすると、パフォーマンスは高まりますし、実質1台のドライブとして使えますが、故障でデータを失うリスクが高まりますので、とりあえずは2台のドライブとして使うことにする予定です。RAID 0も試してみたいと思いますので、それについてはまた書いてみます。
自作は面倒だし、アダプタに1万円以上は出せないならコレ
iFixitというサイトが扱っている、「9.5 mm SATA Optical Bay SATA Hard Drive Enclosure」が、手軽に2台目のHDDを内蔵させるのにはよさそうです。日本への送料も35USDということなので、合計でも95USDくらいで入手できます。MacBook Pro 13-inch(Mid 2009)でも使えるか、特に固定方法が心配ですが、問い合わせた限りでは、テストしていて問題ないとのこと。もしつかえなかったら返品も受け付けてくれるということです(送料はバカになりませんが)。今回の自作では結果としてHDDを除く材料費が5000円近くになってしまいますし、工具などを新しく揃えるとなるとバカにならないので、おすすめはiFixitで売られているアダプターでしょう。