Gakkenflex(大人の科学の二眼レフ)のシャッタースピード このエントリーを含むはてなブックマーク Clip to Evernote

EPSN3145.jpg 随所で話題の「大人の科学マガジン Vol.25」を購入して、ふろくの二眼レフカメラ『Gakkenflex』を組み立ててみました。

僕は組み立てたあとに見つけたのですが、組立の勘所については、すきもの屋blogさんの「学研「大人の科学」ふろく 35mm二眼レフカメラを作ってみた。 」というエントリーが参考になるので、ぜひご一読を。僕はシャッター周りにグリスを塗布したのですが、上記のエントリーによると「自己潤滑性の樹脂」が使われているようで、不要とのこと。たしかに要らない感じではあります。

さて、今回は気になる『Gakkenflex』のシャッタースピードってどうなのかを調べてみました。本誌の46ページの赤荻 武氏による「トイカメラの達人による撮影のヒント ふろくとぶらり、小旅行」という記事には「F11、1/150秒固定」との記述があるんですが、オフィシャルな情報としてはその記述しか見当たらないようです。とはいえ、拙宅にはちゃんとした測定機器とかがあるわけではないので、三洋電機のXacti DMX-HD1010が久々の登場です。こいつには、秒300コマ撮影できる高速度撮影モードがあるので、それでGakkenflexのシャッター動作を撮影してみました。

シャッターの動きとシャッタースピードをみる

シャッター部分の組立はネジの締め具合の微妙な調整が必要なものの、組立と調整作業は非常に愉しく、まさにこのふろくの組立のクライマックスといってもいいかもしれません。少ない部品でのシンプルな構成ながら、シャッターとして動作することにはワクワクしますね。いまどきの電子制御のカメラの対極にある、まさに教材としての価値も高いおもちゃだと思います。

さて、Xacti DMX-HD1010の高速度撮影モードで撮影したシャッターの動きを、1/300秒のコマ単位に分割したのが下の画像です(クリックすると拡大します)。数回撮影したもののなかから、微妙にタイミングが違う2つを選びました。なお、この画像は絞り板のない状態で撮影しています。

gakken_flex_shutter.png

この画像からわかるのは、少なくとも全開放している時間は、2コマ分=1/150秒以上はあるということです。実質は3コマ分=1/100秒程度はありそうです。実際にフィルムに像を結ぶ範囲を考慮すると、4コマ分=1/75秒くらい開放していると考えてもよさそうです。DMX-HD1010の後継機である「DMX-HD2000」だと、600fps(秒600コマ)の高速度撮影ができるので、より細かく動きがわかるだろうと思います。

もっとも、バネの品質やネジ締めの具合など、個体ごとの差はあるでしょうから、あくまで筆者の手元の個体についてではあります。

で、撮影した画は......

IMG.jpgとりあえず、2本ほど撮影したのですが、1本は外出先で絞り板がどうしても外せず、暗すぎて撃沈。もう1本は家にあったKodak TX400で撮影して、勢いで富士フイルムの「ダークレス」での自家現像に挑戦するも、恐れていた現像中に軸からフィルムが外れるというトラブル、定着はほどんどできていないという撃沈具合でした。まぁ、ダークレスはネオパン用だしね......とか、ちゃんと現像できる環境整えたいな、とかいう話題は別の機会に......。なんとか画がわかる希少なコマを、いまどきフィルムスキャナの機能のある貴重な複合機、キヤノンのPIXUS MP990でスキャンして、Photoshopで明るさだけ調整したサンプルです。まぁ、これでの撮影については追々ということで......

ともあれ、このGakkenflex。カメラの仕組みやフィルムというものを理解するのに、非常にいい教材だなと思います。本誌にある「銀塩感光板開発史」なども読み応えがあります。わずか2,500円でこれだけのモノと経験が手に入るなんて、ほんとすばらしいことです。



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