キヤノンPowerShot S90 ブロガーミーティングに行ってきた Tweet
すでに一昨日となってしまいましたが、10月20日にAMNさんによる「キヤノン PowerShot S90」のブロガーミーティングがキヤノンマーケティングジャパンさんの社内で開催されたので行ってまいりました。
個人的には、エプソンのR-D1sを中古で買ったばかりで、コンパクトに持ち歩けるカメラとして、PowerShot S90は非常に興味を持っていたので、有意義な時間を過ごすことができました。まだ、使い込めていませんが、1カ月ほどお借りすることもできたので、今後、じっくりレビューしたい思っていますが、まずは、ファーストインプレッションなどを......。
あくまでコンパクトさに拘ったS90
コンパクトな"サブカメラ"としては、オリンパス・ペン(E-P1)などのマイクロフォーサーズ規格のコンパクトなレンズ交換式一眼レフも魅力的ではありますが、結局、レンズを含めるとそれなりの大きさとなってしまうことを考えると、PowerShot S90のようにレンズ交換はできないものの、レンズ沈胴式で未使用時はコンパクトになるカメラで、マニュアル操作なども考慮されているカメラは、サブカメラとしてはもってこいだよな、ということを再認識しました。
キヤノンさん、キヤノンマーケティングジャパンさんの担当の方々も、レンズ交換式のコンパクトデジカメという方向性を強く意識されてはおいでのようでしたが、PowerShot S90については、あくまでもIXY DIGITALのようなコンパクトなボディーに拘った結果だったようです。あとは、どの程度の表現力を持っているのかが、気になるところですが、そこは追々見ていくことにしたいと思います。
敢えてCCDの画素数を下げた高感度センサーを搭載
これまで、画素数の向上一辺倒に見えたデジタルカメラのマーケットですが、単純に同じ性能/サイズの撮像素子であれば、画素数が増えれば当然感度は犠牲になります。画素数と感度はトレードオフの関係にあって、色調や明暗のダイナミックレンジを採るか、解像度を採るかというせめぎ合いを、その時代の技術と市場ニーズから選択していくことになります。
今回発売されたPowerShot S90も、PowerShot G11も有効画素数約1,000万画素の1/1.7型CCDを採用していますが、先代のPowerShot G10が、同サイズで約1,470万画素であること考えると、単純に数字の上では"スペックダウン"に見えます。
しかし、その分、CCDのセンサー1画素あたりの面積は約45%アップすることになり、色調や明暗のダイナミックレンジは向上し、特に暗いシーンでの撮影には有利になります。
とはいえ、マーケティング上はスペックダウンに見えるため、キヤノンさんの社内でも相当の議論があったとのことですが、PowerShot S90やG11のメインのターゲットユーザー層がある程度こだわりのあるハイアマチュアであることを考えれば、適切な判断だったと言えるでしょう。
実際、キヤノンさんが2009年1月に実施した調査でも、画素数の向上については、より高画質化すべし、という意見と、現状維持でよいという意見が共に3割ほどで拮抗。さらに、今後のデジタルカメラに求める機能としては、超高感度32%、超広角22%などという数字となり、ハイアマチュアのユーザーに限定すると、超高感度40%、超広角34%となるなど、高感度化へのニーズは非常に大きなものであり、今回の「方向転換」とも言える動きは、当然の帰結といえるものかしれません。
コンパクトだが開放F値2.0の明るいズームレンズ
いくら撮像素子が高感度化しても、レンズが暗ければ、撮像素子に届く光量が足りず、意味がありません。PowerShot S90では広角端(35mmフィルム換算で28mm)で開放F値2.0という、かなり明るめのレンズが搭載されています。もちろん、世の中にはもっと明るいレンズもありますが、コンパクトカメラに搭載されたレンズとしては相当明るいほうだと言ってよいと思います。曰く、技術的なブレークスルーによって実現されたとか。
PowerShot S90には、「ステップズーム」という、5つの決まった焦点距離にズームする機能が 付いています。もちろん、無段階にズームすることも可能ですが、これを使うと、5本の単焦点のレンズを交換しているような感覚で撮影することができるというわけです。
実機で、それぞれの焦点距離で、開放F値がどうなっているのか調べてみましたが、以下のような感じで、なかなか優秀です。なお、いずれの場合でも、最も絞り込むとF8.0となります。
焦点距離(35mmフィルム換算) | 開放F値 |
---|---|
28mm | F2.0 |
35mm | F2.5 |
50mm | F3.2 |
85mm | F4.5 |
105mm | F4.9 |
「コントローラーリング」など、マニュアル機能も充実していてうれしい
追々くわしく書きますが、PowerShot S90は絞り優先AEやシャッタースピード優先AEやマニュアルでの露出などマニュアル機能が充実しています。コンパクトデジカメの場合ユーザーインターフェイスが限定されるため、調整が面倒になりがちなこれらの設定も、PowerShot S90には、レンズの周囲のリングを回転させ調整が可能な「コントローラーリング」と、本体背面の十字キー部分にある「コントローラーホイール」の2つで設定しやすくなっています。
ざっと使った感じでは、マニュアルフォーカスの調整は、正直厳しいかなぁという感じですが、オートフォーカスがそこそこ優秀なことを考えると、フォーカスはカメラに任せて、絞りやシャッタースピード、ISO感度に集中するのがいいような印象です。
オートモードは充実していて、そこそこいい感じでシーンを識別して撮影してくれるようではありますが、感覚としては、やや明るくなりすぎるきらいがあって、露出は自分で調整したい感じではあります。
とりあえず、使って一日目ですが、何枚か撮った写真から、主に暗い場面で撮ったものの作例を掲載しておきます。オリジナルのままだと解像度が高いため、掲載にあたってPhotoshopで解像度の変更をしてはいますが、明るさなどは特に変更していません。
マニュアル露出での撮影。ISO800、28mm、F2.0、1/60秒。もうちょっと遅いシャッターでもよかったか?
マニュアル露出での撮影、ISO800、28mm、F2.0、1/40秒だったはずだが、アルコール燃料が注入されてて、定かではない。