「7notes」+「AluPen」で、iPadでの快適な手書き文字入力体験を Tweet
ジャストシステムの創業者で30年近く経営に関わってこられた浮川夫妻らによる新会社、MetaMojiが開発した「7notes」は大変すぐれた手書き認識システムを搭載したiPad向けノートアプリです。
今回はこの7notesと、iPad向け(もちろんiPhone、iPod touchなどでも使えます)の入力ペンである「AluPen」、それらを使った手書き文字入力について紹介したいと思います。
iPadでの手書き文字入力を実用にした「7notes」
7notesは、UIがやや独々で使いにくかったり(カット&ペーストもiOS標準の方法と異なります)、動作速度のもたつきや、他のアプリとのデータの共有などもPDFに限定されるなど、不満もありますが、非常にワクワクさせてくれるものがあります。価格は1,500円とやや高いようにも感じられますが、その価値は十二分にあると思います。
VisionObjects社による手書き認識エンジンMyScriptを採用し、さらに「mazec」と呼ぶ交ぜ書き(たとえば「とう載」と入力して「搭載」と変換するなど)に対応した手書き文字認識は非常に快適です。
手書き入力は指での入力でもそこそこ実用的ではありますが、使ってみると、やはりペンによる入力がしたくなります。否、ペンなしでは魅力半減と言ってよいと思います。
使いやすくデザインも優れた「AluPen」
iPadやiPhoneのデジタイザは指での入力に最適化されており、ペンも専用のものが必要となります。初期に登場したiPad向けのペンは、導電・静電気対策スポンジをペン先に使用したものが多く、けっして書き心地もよいものではありませんでした。
ボールペンや万年筆などの筆記具では、書き心地はもちろん道具として持つよろこびを提供してくれる製品も多いのに対し、こうしたiPad向けのペンはどうでしょうか? たしかに、最近では書き心地のよい製品も増えてきましたが、デザインはもう一歩というものが多く、選択肢は残念ながら限られています。
その点、このデンマークのTools DesignのデザインによるJust Mobileの「AluPen」は、書き心地のよいペン先を持ち実用性も充分であることに加え、鉛筆を彷彿とさせる美しいアルミニウム製ボディは、適度な重量感とよい質感の仕上りで、持つよろこびと遊びごころを満たしてくれます。
これを購入した原宿のAssistOnさんは、デザインのすぐれた、永く使える製品を厳選したショップですが、彼らが現時点で扱う唯一のiPad向けのペンがこのAluPenであるといったところにも、この製品のよさが表われているといってよいでしょう。
iPad+ペンで文字を入力する体験
このエントリもAluPenと7notesの組み合せで下書きを書いていますが、カナ漢字変換ではなく、漢字も手書きで入力していくというのは新鮮な体験です。もちろん、カナ漢字変換も有効ですし、予測入力もありますので、漢字の書きかたを忘れてしまっていても大丈夫です。
こうやって書いてみると、自分がどれくらい漢字を忘れているかが明らかになるとともに、カナ漢字変換に助けられながら、漢字を手書きすることの「リハビリ」にもなるというのもうれしいところです。
人にもよりますが、効率だけなら、物理的なキーボードによる入力やiPhoneのフリック入力のほうが入力も速く、効率も高いでしょう。筆者の場合ももちろん手書きは入力速度において劣ります。しかし、Newton MessagePadのころと違い、はるかに実用的なレベルの手書き認識が可能な7notesと、AluPenとの組み合せは、あらたな入力体験をもたらしてくれます。
実は筆者は、7notesを発表日に購入していたものの、ちょっと試しただけで、使わずじまいになっていましたが、AluPenを手にして、その魅力を再発見しました。
iPadが登場したときのCMではありませんが、ソファーに座って書き物をしたり、カフェでゆったりしながら何かを書くとき、キーボードではなく、このAluPenと7notesはすばらしいパートナーになってくれるでしょう。
また、AluPenは、7notesだけではなく、たとえば「Adobe Ideas」などのスケッチアプリとの組合せでも威力を発揮します。iPhoneやiPadはスタイラスを無くし指での操作を可能にしたことが革新的でしたが、目的によってはペンが適しています。