「iPhone 4」個人的にココが買い! このエントリーを含むはてなブックマーク Clip to Evernote

AppleのWWDC 2010の基調講演で発表され、日本、米国などでは6月24日から発売が開始される「iPhone 4」ですが、個人的な注目ポイントを書き留めておきます。

基本的にEngadgetの「Steve Jobs live from WWDC 2010」とでの内容をベースにしています。AppleのWebサイトのビデオも併せてご覧ください。

アンテナを兼ねたステンレスフレーム
GIZMODEに掲載された流出した試作品の写真でも見られていた、iPhone 4の側面にある「Appleらしくない」とも指摘された切り込みの存在の理由が明らかになりました。切り込みの箇所でフレームは分割されていて、1つがWi-Fi、Bluetooth、GPSのアンテナ、もう1つが3GとGSMのアンテナの一部を構成しているというのです。非常に合理的なデザインで、これで電波の感度がよくなれば言うことありません。
従来より24%薄く、幅もスリムになったボディ
従来は背面が曲線を描いていたため、印象のうえで、どの程度薄く感じるかはわかりませんが、従来が12.3mm厚だったことを考えると相当薄くなっています。また、従来は右手に持って親指で操作するときに画面の左上端が遠く感じることがありました。iPhone 4では幅も従来の62.1 mmから58.6 mmとわずかにスリムになったことが、手に持った感覚と操作性にどれくらい影響があるか、はやく確かめてみたいところです。

新開発の強化ガラス
本体両面はガラスが使用されていますが、このガラスは新開発のもので、プラスチックより30%強いとされています。相当曲げても割れない強度を持っていることが、AppleのWebサイトにあるビデオでも示されています。これまで、iPhoneのガラス面を割ってしまったという悲劇が世界各地で起きていましたが、iPhone 4では、そんな悲劇も少なくなるのでしょうか。
326ppiのIPS液晶ディスプレイ「Retina」
従来のiPhoneの320×480ピクセルに対してピクセル数で4倍の、640×960ピクセルの液晶が搭載されています。iPadのiPhoneアプリ表示の2倍表示は残念な感じでしたが、いままでのiPhoneアプリでも、テキストやコントロールなどはきれいに表示されるとのこと。従来の液晶も他のスマートフォンに比べて解像度は低かったものの、それをまったく感じさせない美しい表示を実現していたiPhone OSでしたが、ついに物理的にも高解像度を得ることになります。iPadに比べても78%のピクセル数があり、画面サイズは小さいものの、新たな表現の可能性も感じさせます。
720pのHD撮影が可能なカメラとiMovie for iPhone
iPhone 3GSではそこそこ使える品質になっていたiPhoneのカメラですが、ついに5メガピクセルのカメラになり、720pのHDムービーの撮影ができるようになりました。併せて、iPhone OS 4改め「iOS 4」でサポートされるムービー撮影中にもタップしてフォーカスする機能によって、日常使いのムービーカメラの座を奪いそうです。さらに、MacのiLifeファミリーのムービー編集ソフトiMovieのiPhone版、「iMovie for iPhone」が有料でリリースされ、iPhone上で撮影から編集までできてしまうのだから、とんでもない時代になってしまいました。
新A4プロセッサとバッテリ容量の増加
すでにiPadでサクサク感を体感させてくれているApple設計によるA4プロセッサが搭載され、動作が高速になることが期待できます。また、プロセッサの実装面積の縮小とmicro SIMの採用によって作られた内部のスペースにより、バッテリ容量も40%ほど増加しているとのこと。
3軸ジャイロセンサの搭載
従来のGPS、加速度センサ、電子コンパスに加え、ジャイロセンサが搭載されたことで、いろいろおもしろいアプリが作れそうです。
フロントカメラとFaceTime
FaceTimeはテレビ電話的アプリですが、残念ながら当面はWi-Fiのみの対応とのこと。個人的には必要性は感じていませんが、Skypeなどのアプリが対応するなどの期待もできそうです。

「iPhone OS 4」改め「iOS 4」といえば、マルチタスク?

iPhone OSは、iPhone、iPod Touch、iPadに搭載され、将来はApple TVにも搭載されるとも言われており、iPhoneのためだけのOSではなくなっています。おそらく、そのためか、6月21日よりアップデートが開始される(iPadは秋の予定)iPhone OSの新バージョン「iPhone OS 4」の名前が「iOS 4」に改められました。

またもや、Ciscoの「Cisco IOS」と被るようなネーミングでアレげですが、これの一番の注目はなんといっても、マルチタスクとホーム画面でのフォルダ、メールでのスレッド表示といえると思います。

個人的には、iPhone OSの最も優れていたところは、『マルチタスクではなかったところ』だと考えているのですが、それは、Jobsらも同じようで、非常に考えられた実装になっています。

PCやMacを使っていて、普通の人を混乱させるのがアプリを終了しなければならないということだと思います。そもそも、何のアプリが立ち上がったままで、何を終了してもいいかを把握し考えることは、非常に面倒なことです。

PCやMacは比較的メモリを多く積んでいるので、多少のアプリが無駄に起動していても酷い事にはなりませんが、Windows MobileやAndroidではやや悲しいことになります。その点、一度に1つのアプリしか起動できないiPhoneは、そうした煩わしさからユーザーを開放しました。

同様のコンセプトは、古くPalm(PalmPilot)というPDAでも採用されていました。Palmでは、アプリの切り替え時に、終了するアプリが状態を保存して、再度起動されるときにその状態を復帰させることで、まるでアプリが同時に動いているかのように見せる工夫がなされていました。

今回のiOS 4でのマルチタスクも、Palmのコンセプトに近く、バックグラウンドで動かせる処理は限定され、アプリの切り替え時にはアプリの状態の保存と復帰をさせることで、メモリの浪費やバッテリの無駄な消費を抑える仕掛けとなった非常に優れたものだといえます。

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