わずか10gでよく曲がる、『軽い人』のアイウェア「Air frame 3」 Tweet
本日は、アイウェア(メガネ)ショップ「JINS(ジンズ)」を展開されている株式会社ジェイアイエヌさん主催の「Air frame 3」の発表会に伺ってまいりました。高校生のころからウン十年のメガネ人生を過ごしてきた筆者としては、JINSというショップ自体も気にはなっていたものの、実は一度も行ったことはありませんでした。
というのも、筆者はこの10年ほどは福井県鯖江市のメーカーや職人さんの作られたメガネ数本(だいたい、レンズ込みで1本3〜5万円程度です)を愛用してきたのですが、一度だけ、安価な中国製フレームを展開している別のショップで7000円ほどのメガネを作ったときに、あまりの掛け心地の悪さに辟易した経験があり、正直安価なメガネは眼中になかったからです。
そんななか、軽量で日本人向けという独自の価値を目指した「Air frame」を展開するJINSはちょっと気になる存在でもあり、今回アジャイルメディア・ネットワークス(AMN)さんから機会をいただき発表会に伺うことにしました。そんなメガネにはそこそこウルサイつもりの筆者が、発表会の様子と、本日いただいたAir frame 3のサンプルのファーストインプレッションをお届けしたいと思います。
ただ安く売るのではなく、新しい価値を生み出す。
発表会で登壇した同社の田中 仁社長は「従来の普通にメガネを安く売るだけのブランドではなくて、新しい価値を生み出す。そういうブランドでありたいというふうに思っております。」とおっしゃっていましたが、同社の看板商品という「Air frame」はその姿勢を体現しているといる商品だといえそうです。
同社の「Air frame」は、スイスの医療器具メーカーEMS社が開発したTR-90という非常に弾性の高いナイロン樹脂を使い、軽量で弾力性と復元性、医療向けゆえのアレルギーの少なさを確保しているといいます。
実際、田中社長らがステージ上で実際にフレームを折り曲げてみるデモを行ったのですが、通常のメガネでは考えられないくらい折り曲げても、しっかり元に戻っていました(もちろん、限界はあるそうで、あまり何回も試さないほうがいいようです)。
ちなみに、2009年9月17日に登場した初代のAir frameは15g(店頭展示で使用しているデモレンズ込み)で、これまでに約15万本を出荷。2010年3月に登場したAir frameは11g(同)となり、約30万本の売り上げを達成しているといいます。
そして、今回発表され、9月17日から販売される「Air frame 3」では、10g(同)という軽量化を実現しながら、日本人の頭の形状の研究を元に、テンプル(つる)のカーブを改良し、フィット感と締め付け感のなさの両立をより進め、痛みの発生しにくい形状を追求したとのこと。
個人的には、きちんと調整された、優れたメガネ(たいてい高価)と、そうでないものの大きな差は、まさに、この側頭部の締め付けによる痛みの有無と掛けていることをいかに忘れさせてくれるかというところにあるので、そうした方向性で商品を企画しているということには大いに共感を覚えました。
またフレームが樹脂であるため、成形前に素材に塗料を練り込み着色でき、色やデザインバリエーションを多く確保しやすいのも特徴で、Air frame 3では、女性向け、男性向けモデルでそれぞれ60パターン(ウェリントンとスクエアの2タイプ)、キッズ向けで20パターン(スクエアとオーバルの2タイプ)という多くのデザインパターンを投入し、シーンに合わせて着替えるような感覚で選べるのも特徴です。
また、多くの安価なメガネ販売店では、標準の価格では非常に安価なレンズしか採用できず、結局レンズをイマドキのものにすると意外と高くなったりすることも多いのですが、JINSではHOYA製の薄型非球面レンズでUVカットのものを標準採用し、より薄型のレンズを採用した場合でも追加料金がかからないそうで、その辺も好感が持てます。
「軽い男」、「軽い女」
明日9月14日からオンエアされるCMには、オダギリジョーさんと、栗山千明さんが出演され、「私は、軽い男です。」「私は、軽い女です。」とのキャッチコピーを語る、インパクトあるものとなっています。商品の特徴である「軽さ」を端的に伝え、注意を惹くコピーといえます。また、ただ「軽い」のではなく、身軽で自由であるといったようなメッセージも込められているのだとか。
発表会には、CMに出演された栗山千明さんがAir frame 3を掛けて登場。「メガネをかけることによって、制約されてしまうのではなくて、むしろ、ファッションとしてたのしんだりとか、いろんな方向で身軽になれるということを実感して、堂々と(「私は、軽い女です」と)CMでも言うことができました。」という"千明様"でしたが、CMの撮影中にも、メガネを掛けていることを忘れて着替えようとしてしまったほどの軽さと、フィット感のよさ、痛みのなさを実感されたとのこと。
実際、身体の負担のないメガネは大抵は高価で、気軽にファッションとして気分や服装に合わせて「着替える」というのは、なかなか難しいものですし、逆に安いけれども、掛け心地が犠牲になっているメガネだと辛いものがあります。ですから、安さとデザインバリエーション、身体への負担の軽さを両立しているのであれば、すばらしい選択肢となりえます。
レンズを入れるのが愉しみなフレーム
今回の発表会では、出席者にAir frame 3が配られたので、さっそく、曲げてみたり、掛けてみたりしてみました。配られたサンプルには度なしのデモレンズしか付いていないため、長時間掛けてみるということができないので、現時点での評価は避けたいところですが、ファーストインプレッションとしてはいい感じです。
CMに出演するオダギリジョーさんが、発表会に寄せたビデオメッセージの中で、「持っていることも忘れます。掛けていることも忘れます。」、「私のメガネ歴の中で一番曲がりました。」と語っておられましたが、実際のサンプルも非常に軽く、また非常にしなやかで、よく曲がります。また私のメガネ歴の中でよく曲りフィットすると実感する今常用している3本の手持ちのメガネ達と比べても、最もよく曲がります。また、セルフレームなのにテンプルに金属の芯材が入っていないのも特徴的です。
今回いただいたモデルは、メンズのTR-10A-015というスクエアタイプのフレームのホワイトです。価格はレンズ込みで4,990円。テンプル(つる)が透明で裏面に菱形のアーガイルチェックがプリントされているさりげなくおシャレなフレームです。こうしたデザインのモノはプリントと塗装によって実現されていますが、細部の仕上げは残念ながら価格なりの品質という印象は否定できません(とはいえ、十分コストパフォーマンスはいい感じです)。
手持ちのメガネと重量を比較してみましたが、鯖江産の3本のメガネが、いずれも度入りのレンズ込みで17〜18gだったのに対して、Air frame 3は度なしのデモレンズ込みで12gでした。手持ちのキッチン秤での計測ですので誤差はありますが、確かに軽量です。
メガネの善し悪しは、体調による感じ方の違いや、長時間かけることによる痛みなどもありますから、最低でも2〜3日は掛けて過ごしてみないとわからないというのが、これまでのメガネ人生での実感ですが、はやくこのフレームにレンズを入れて、実際に掛けて過ごしてみるのが愉しみです。
ちなみに、メンズのウェリントンタイプは7,990円。ウィメンズのスクエアタイプはメンズと同じく4,990円、ウェリントンが5,990円となっています。
今回手にしたものは、韓国製でしたが、スタッフの方に伺ったところ、当初は韓国製だけでスタートしたものの、販売数の増加とともに、一部は中国での生産に拡大しているとのことでした。
はたして、筆者のこれからのメガネ人生の一部に「Air frame 3」が組み込まれるのか、やっぱり個人的にはダメだったと結論付けられるかは、来月くらいにはわかっていることでしょう。
一方で、我が愛する鯖江のメーカーとの関係が気になるところではありますが、市場には、まだまだ質がよいとは言えないメガネが多く存在しています。そうした中で、きちんと掛ける人のことを考えてデザインされ、優れたメガネが広く認知され、市場が育っていくことが必要な段階なのかとも思いました。実際、とあるJINSのスタッフの方も、鯖江のメガネの良さは認識され、一緒にやっていければというようなことをおっしゃっていましたが、ぜひそうした方向性も取り入れていってほしいなと思うとともに、共に「いいメガネ」の認知を広げるプレーヤーとして市場を変えていっていただければいいなと思いました。
掛けてみないとわからない商品だから、タダで配っちゃうそうです。
さて、筆者としては、非常によさそうだと思うけれど、まだまだ判断保留のAir frame 3ですが、そんな風に感じている読者のみなさんにもタダで、Air frame 3を評価するチャンスがあります。
来る9月16日(木)。JINS原宿店では8:00〜、JINS名古屋大須店では11:00〜、先着順で「整理券」が配られ、それぞれ10:00〜、12:30〜、限定数でCMでオダギリさん、栗山さんが着用していたモデルが無料で配布されるそうです。
原宿店では男女各500名、名古屋の大須店では男女各250名の先着順で配られるそうですが、ただでAir frame 3とTシャツをゲットできる代りに、JINSさんのプロモーションに協力するという、ちょっと恥ずかしいミッションが与えられます。それは、「軽い男」、「軽い女」と大きく描かれた「整理券」を兼ねたTシャツを着用して、列に並ばなくてはならないというものです。さらに、今回の発表会にも、名古屋のメーテレ(名古屋テレビ)さんなどTV局の方も取材に来ていましたので、おそらく「軽い男」、「軽い女」宣言をした状態でTVに映るという罰ゲームになるかもしれませんが......
ちなみに、どうして大阪がないのかと思って伺ったところ、大阪には路面店がなく、ビル内の店舗だけであるため、行列ができるようなイベントには制約があるためとのことでした。実は名古屋出身の筆者としては「名古屋飛ばし」が常識なだけに、どうしてなんだろうと思ったら、そういうことでした。
いずれも、数時間並んで自分の「軽さ」を晒して、手にするのはTシャツと4,990円のAir frame 3です。自分の時給に換算したら、それは安すぎるという方は、イベント終了後、原宿店では15:00から、名古屋の大須店では16:00から発売日に1日先行して、販売開始するそうですので、ぜひ買い求めに行ってはいかがでしょうか? 筆者は、時間があれば『祭』に参加してみようかなとも思っています。